【申請を目指す経営者必見】中小企業新事業進出補助金の活用ガイド

はじめに

中小企業の皆さまにとって、事業を発展させるために新たな分野へ挑戦することは避けて通れないテーマです。そんな企業の挑戦を後押しする制度が「中小企業新事業進出補助金」です。

この補助金は2025年度よりスタートし、設備投資やシステム構築、そして従業員の賃上げを伴う新事業展開を支援することで、企業の競争力向上を目的としています。本記事では、申請を検討されている経営者の方に向けて、補助金の全体像から採択のポイントまでをわかりやすく解説します。

制度の概要と目的

この補助金は、既存の事業とは異なる製品やサービスを新しい顧客層に提供する新規事業への進出を支援する制度です。事業再構築補助金の後継として、より明確に“新市場への挑戦”を重視しており、革新性や市場性が問われます。

具体的には、デジタル技術の活用、環境配慮型製品、女性や高齢者向けサービスなど、社会課題への貢献も評価対象になります。

補助上限額・補助率                                     

●補助上限額                                           従業員数に応じて異なり、以下のように設定されています。               

  • 20人以下:最大2,500万円(特例で3,000万円)
  • 21〜50人:最大4,000万円(特例で5,000万円)
  • 51〜100人:最大5,500万円(特例で7,000万円)
  • 101人以上:最大7,000万円(特例で9,000万円)

●補助率                                             補助率は1/2で、対象経費の半額が補助されます。

補助対象経費の詳細                                         対象となる経費は以下の通りです。

  • 機械装置・システム構築費(製造設備、業務システム導入等)
  • 建物費(事務所や工場の新設・改修)
  • 運搬費(機械などの輸送費)
  • 技術導入費(専門技術の導入)
  • 知的財産権等関連経費(特許、商標)
  • 外注費(開発委託、製品試作等)
  • 専門家経費(コンサルティング等)
  • クラウドサービス利用費(SaaS利用など)
  • 広告宣伝・販売促進費(Web広告、チラシ等)

※機械装置・システム構築費または建物費のいずれかは必ず含める必要があります。

申請スケジュールと準備

公募開始:2025年4月22日(火)
申請受付:6月頃(予定)
締切:2025年7月10日(木)18:00まで
交付決定:8月下旬〜9月上旬
事業実施期間:交付決定から14ヶ月以内

採択されやすい事業計画の特徴                                  採択のポイントは以下の通りです。

  • 革新性:これまでにない製品・サービス
  • 成長性:売上や雇用の拡大が見込めること
  • 実現可能性:資金計画や体制が整っていること
  • 社会性:地域活性化や環境配慮など社会的意義があること

数値で裏付けられた事業計画(売上予測、回収計画、人件費増加計画など)は説得力があり、採択されやすくなります。

おわりに

中小企業新事業進出補助金は、企業が第二の成長期を迎える大きなきっかけとなり得る制度です。申請においては専門的な知識や準備が求められますが、しっかりと事業計画を立てることで成功の可能性は十分にあります。

中小企業診断士などの専門家と連携しながら、確実な申請を目指しましょう。