中小企業の皆さまが活用できる代表的な補助金制度として、「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「事業再構築補助金」があります。
いずれも経済産業省や中小企業庁が中心となって支援している制度ですが、採択されるかどうかは年々競争が激しくなっているのが現状です。
今回は、最新の公募データをもとに、それぞれの補助金の「採択率」と「申請時のポイント」について解説します。
1.ものづくり補助金|革新的な取り組みで設備投資を支援
製品・サービス開発や生産プロセス改善など、中小企業の生産性向上を後押しする制度として人気の「ものづくり補助金」。
公募回 | 公募件数 | 採択件数 | 採択率 |
第13回 | 3,261件 | 1,903件 | 約58.4% |
第14回 | 約5,225件 | 2,550件 | 約48.8% |
第15回 | 約605件 | 178件 | 約29.4% |
第16回 | 5,777件 | 1,932件 | 約35.8% |
ポイント:採択率は回によって大きく変動します。競争率が高いため、革新性の明確な根拠や事業化の見通しが問われます。
2.小規模事業者持続化補助金|地域密着の販路開拓を支援
主に小規模事業者を対象とした販路開拓支援制度で、チラシ作成、WEB広告、展示会出展などに活用できます。
公募回 | 採択率 |
第16回 | 約37.2% |
ポイント:第16回では過去最低の採択率。地域性・独自性・成果の見込みが評価されるようになっています。
3.事業再構築補助金|新分野展開・業態転換など大胆な再構築を支援
コロナ禍以降に新設された制度で、大型の設備投資や新規事業の立ち上げに対して手厚い支援が受けられます。
公募回 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
第11回 | 9,207件 | 2,437件 | 約26.5% |
第12回 | 7,664件 | 2,031件 | 約26.5% |
ポイント:補助額が大きい分、審査も非常に厳しく、事業計画の説得力・売上見込み・人材配置の妥当性が問われます。
まとめ|採択率から見える戦略とは?
補助金は魅力的な制度である一方、「書けば通る」という時代ではなくなっています。
最近では採択率30%前後の補助金も珍しくなく、しっかりとした事業計画と根拠資料が必要不可欠です。
「自社の申請はどの補助金が合っているのか分からない」「どう書けば採択されやすくなるのか知りたい」
そんな方は、中小企業診断士など専門家のサポートを受けることで、採択可能性を高めることができます。